立秋~二十四節気 季節のたより

立秋(20158月8日~8月22日)

立秋は一年二十四節気の中の第十三番目の節気であり、秋季の最初の節気にもあたります。太陽黄経が135°になったときを立秋といい、毎年8月7日前後から8月22日前後までです。

立秋の「立」は始まるという意味で、立秋は、暑さが去り涼しさが訪れ、秋が始まるという意味です。

立秋から、天高くさわやかで、月が明るく風が清々しい秋へ向かいます。気温が下がり始めて次第に蒸し暑さから涼しくさわやかに感じられるように変化していきます。

諺に「立秋之日涼風至(立秋の日に涼風至る)」とあり、立秋の日を境に、はっきりと涼しさを感じるようになると言われています。『管子』の中にも、「秋者陰気始下、故万物収(秋は陰気が旺盛になり始め、故に万物を収める)」とあり、立秋は秋季の始まりであり、気候が、暑さから涼しさへと変わる重要な時節です。陽気が次第に収斂し、陰気が徐々に増加し、陽が盛んである頃から陰が盛んな頃へと変化していく時期で、万物が成熟する収穫の季節なのです。

人体の陰陽の代謝も、陽が減少し陰が増加する過渡期です。
養生は、心のあり方、飲食や日常全般の生活習慣、運動や鍛錬のどれも春生、夏長、秋収、冬蔵の自然の規律に応じて行われるので、秋季の養生は「養収」が原則になります。

『黄帝内経』の中では、秋の養生の要領を、「使志安寧、以緩秋邢、収斂神気、使秋季平、無外其志、使肺気清、此秋気之応、養収之道也(志をして安寧ならしめ、以て秋邢(残暑や、昼夜の気温差などが身体にもたらす厳しさ)を緩くす、神気を収斂し、秋気をして平らならしめ、其の志を外にすることなかれ、肺気をして清ならしむ、此れ秋気の応、養収の道なり)」と、言っています。

中医学の理論では、秋は体内では肺と相応し、肺の志(感情)は悲しみ(憂い)であり、悲しみは肺を傷つけやすいのです。肺気が虚であれば身体の忍耐力や受容能力が低下し、悲しみの感情が生まれやすくなるのです。よって、自分で養生を行う場合は、特に心を調整することに留意し、心を安静に、気持ちを穏やかにし、決して悲しみで心を傷つけてはならないのです。たとえ心が傷つくような事があっても、それを積極的に排除すべきであり、粛殺(しゅくさつ)の気(草木を枯らす厳しい秋気)は遠ざけるようにします。また神気を収斂させて、秋の容平の気(万物が成熟し、容(かたち)が定まる)に適応させます。

また、秋季はよく乾燥するので、『道蔵・玉軸経』には、「真液養真陽」の説があり、導引の練功の過程で湧いてきた唾液(真液)は、三回に分けて呑み込むことや、意識的に丹田に送る「咽津」の法、噻字訣を用いた斂気などがあります。

立秋の頃は、天の気は晴朗、地の気は清爽になります。気候は、陽から陰に変化し、収斂を主(つかさど)ります。手の太陰肺経は秋季に相応し、肺は、五臓六腑の上部にあり、呼吸を司り、気を主り、清気を吸い濁気を吐き、身体の内外の気を交換する場所です。肺には、天地陰陽交泰(陰陽が調和し、天地自然の法則に適う)という優れた働きがあるのです。肺と大腸は表裏の関係にあり、手の陽明大腸経の大腸は五臓六腑の下部にあり、主に糟粕(飲食物の残りかす)を運化し、食物の残渣を排泄します。肺と大腸を鍛錬することにより、五臓六腑の気血をよく行き渡らせ、呼吸系の機能を増強することができるのです。

二十四節気導引術の中で、立秋の導引術は、呼吸と動作を合わせて行う導引術です。吸気だけでなく、呼気の練習方法もあり、閉気(止息)の練習方法も入っています。導引術の中に呼吸の練習が入ることによって、気を導引しコントロールする作用が大いに強まり、二十四節気導引術、又は二十四節気水火聚散図と呼ぶこの導引術の内容を、最も容易に体感し理解することが出来るのです。
張明亮著『二十四節気導引養生法――中国の時間と智慧』(人民衛生出版社)より

このような考え方から、立秋には「縮身拱背式」という導引術を勧めています。

以下のサイトをご覧ください。

http://mp.weixin.qq.com/s?__biz=MzA4OTAyMDcyMg==&mid=209207545&idx=2&sn=ffad8359fdc5f796aafba36fe5192824&scene=2&from=timeline&isappinstalled=0#rd

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