小暑 ~二十四節気 季節のたより

小暑(2015年7月7日~7月22日)

 

 小暑は一年二十四節気の中の第十一番目の節気であり、夏季の第五番目の節気にもあたります。太陽黄経が105°になったときを小暑といい、毎年7月7前後から7月22日前後までです。

暑は、炎暑という意味ですが、小暑は次の節気の大暑と比べると、暑さがまだ小さいので、小暑と呼ばれるのです。

小暑の季節は、地下の冷気が上昇し、上空の熱気が下降し、寒と熱が相(あい)搏(う)つ状態にあります。熱が盛んになれば燥、寒が盛んになれば湿になり、これは大自然の寒気流と暖気流の相乗(そうじょう・過剰な相生・相剋関係)、相侮(そうかい、又はそうぶ・相剋関係が反転した状態)の現れです。

「暑」の字は、許慎(きょしん・後漢時代の儒学者・文字学者)の『説文解字』に、「暑、熱也。暑は湿に近く蒸す如し、熱は燥に近く烘(あぶ)る如し。」とあります。ここから、暑は、ただ熱いだけでなく、たいてい「湿」が混ざっているので、この季節、私たちはよく蒸し暑くて不快に感じるのだということが分かります。

中医学で「熱中症」の治療に使う有名な薬「藿香正気水(かっこうせいきすい)」、「十滴水」などの処方成分に、芳香化湿(ほうこうけしつ・芳香性の生薬を用い、湿邪を発散したり利水して除去すること)、健脾和胃(けんひわい・脾気を補い、脾胃の気を調和させる)の類の薬物を重用したり、また熱中症になって吐き気や下痢などの消化器系の症状が現れるのは、みなこの「暑」が原因なのです。

小暑や大暑の導引術を見ると、ともに脾胃の運化(消化吸収)機能を強める導引が入っているのが分かります。この小暑一式の導引術は、中医学の「脾は湿を主(つかさど)る」、「脾は筋肉四肢を主る」などの理論が、見事に表現されています。

丹医の理論では、四肢は、脾気が不断に送る栄養によって潤い養われてこそ、正常な活動機能が発揮できると考えます。もし脾気が虚弱であり、消化吸収の力がなければ、血になる源が不足し、筋肉骨格が充分な栄養を得ることができず、四肢は怠(だる)く力が無くなります。

ですから、いつも導引を行うことによって、四肢を強健にし、それによって脾胃の機能を高め、病気を予防することができるのです。

張明亮著『二十四節気導引養生法――中国の時間と智慧』(人民衛生出版社)より

このような考え方から、小暑には翹足舒筋式という導引術を勧めています。

以下のサイトをご覧ください。

http://mp.weixin.qq.com/s?__biz=MzA4OTAyMDcyMg==&mid=208434100&idx=1&sn=5e4f58edb0ed67a793e18dd51a79acb9&scene=2&from=timeline&isappinstalled=0#rd

(最終行左の「读阅原文」をクリックすると動画を見ることができます)

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です