芒種 ~二十四節気 季節のたより

芒種(2015年6月6日~6月21日)

 

芒種は一年二十四節気の中の第九番目の節気であり、夏季の第三番目の節気にもあたります。太陽黄経が75°になったときを芒種といい、毎年6月5日前後から6月20日前後までです。

昔の人は、「五月節、謂有芒之種穀可稼種矣(五月の節は、芒の有る種穀を稼種すべしを謂う)」と言い、陰暦の五月の芒種の季節は、大麦、小麦など芒(のぎ)のある作物の実が熟し、刈り取ることができるので、「芒種」と呼びます。また、晩穀(晩秋に収穫する穀類)、黍(しょ)(=きび)、稷(しょく)(=あわやきび)など夏に種を蒔く作物の種蒔きの最も忙しい時期でもあります。よってこの「芒種」は、農家の人々には、よく「忙種」と呼ばれています。(稼種とは、種をまいたり、刈り入れたりすること)

芒種の頃は、陽気が更に旺盛になり、隅々にまで充満し、自然界も典型的な夏の季節に入ります。我が国(中国)の長江の中下流域では、この頃、雨量が増加し、気温も上がり、空気は異常にじめじめと蒸し暑く、いろんな食べ物に黴(かび)(=霉)が生えやすいので、この頃はまた「梅雨(霉雨)」の季節とも呼ばれています。
芒種導引術は、二十四節気導引術の中で、最も代表的な「導引」類の功法であり、手足の屈伸や鬆緊の動作を用いて、真気をコントロールしたり、全身に行き渡らせようとするのです。この一式は、少林達磨易筋経の中の韋駄献杵第三勢「掌托天門勢」と似ており、全身を使った導引動作です。両腕を横に伸ばし、立掌(手首を立てる)し、托挙(手で支え挙げる)、提踵(踵を上げる)、落踵(踵を下ろす)、と動きが次から次へと連動し、前の動きが次の動きに密接に繋がり、気脈を徐々に動かして昇らせて全身に充満させます。気脈の内景の観点から言えば、動作の形が正確にできていなかったり、動作の順序に問題があったりすれば、気脈を昇らせ全身や微細な末端にまで充満させることは不可能なのです。なので、この一式は、よく練習を積んで、細かく体感できるようになることが必要です。芒種導引術の後半部では、前半に直ぐに続けて、顔を上げ、掌を反します。これは全身を開き、放鬆させるだけではなく、全身に行き渡った気脈で心身の隅々まで潤しているのです。
芒種の導引術を、その前にある小満の導引術と比較してみると、小満の導引術の動作が丸い気の塊の中に座っているとするならば、芒種の導引術は、さらに大きな丸い気の塊の中に立っているので、この円は更にいっそう満ち満ちています。気の観点に限って言えば、芒種の導引術は、「大満」の導引術ということもできるでしょう。節気の観点から言えば、自然界の陽気の広がりもまさしく同じように満ち渡っているのです。

張明亮著『二十四節気導引養生法――中国の時間と智慧』(人民衛生出版社)より

このような考え方から、芒種には「掌托天門式」という導引術を勧めています。

以下のサイトをご覧ください。

http://mp.weixin.qq.com/s?__biz=MzA4OTAyMDcyMg==&mid=207096898&idx=2&sn=6ac62912b68f9d49d4ae993a28dc9033&scene=2&from=timeline&isappinstalled=0#rd
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