穀雨 ~二十四節気 季節のたより

穀雨(2015年4月20日~5月4日)

穀雨は一年二十四節気の中の第六番目であり、春季の最後の節気にもあたります。太陽黄経が30°になったときを穀雨といい、毎年4月20日前後から5月5日前後までです。

穀雨は、「穀、雨を得て生ず」、「雨、百穀を生ず」という意味です。この頃、もし雨量が充分で降雨が適宜であれば、穀類の作物はぐんぐんと生長します。穀雨の季節は、地の気は温まりつつあり、気温も次第にあがり、陽光と雨露によって、万物は繁茂し、生気がみなぎっている状態にあります。

人体の気も、大自然の陽光と同じで、全身の各部分を温めます。全身の血液も、水液も大自然の雨露のように、その作用は、雨水が作物を潤すように身体を潤し、生命を続けていく大事な役目を果たしているのです。

肝臓には、疏洩(気血の流れを円滑にする)、蔵血(血液の貯蔵と流量の調節)、養筋(筋脈、筋骨の濡養)の働きがあり、脾胃は気血の生化の源です。肝胆や脾胃の機能が改善されると、全身の気血の生成と分散、分布を良くします。よって、穀雨の時節は、肝胆の気の昇らせる練習の他にも、脾胃の運化(栄養を吸収して血や津液を作り全身に送る)の働きを促進させる練習が必要です。

穀雨導引術は、二十四節気導引術の中では、代表的な導引術の一つです。手足の屈伸、捻り、鬆緊(緩めたり緊張させたりする)、体躯の捻りなど、徐々に導引を進めて体内の気血の巡りをコントロールします。特に頭部の捻りや、手を乳下のツボに当て温め抑えるなどは、非常に巧みで有効的な導引方法でありますが、長期間実践しないとその良さはなかなか体感できません。

また、穀雨導引術は、二十四節気導引術の中では、最も「微妙」な導引術です。

「微」は、導引の動作の細やかさ、厳格さ、はっきりした順序、動きの密接な関連性などに現れています。動きの大きさ、難度、強度はそれほど強くないのですが、導引の屈伸、鎖鑰(鍵を掛けるように締めていく方法)、鬆緊、剛柔などの特徴があふれています。

「妙」は、動作を通して次々と導引を行うことによって、気血の流れを促進したりコントロールしたりして、身体、呼吸、気脈、感情などに一連の微妙な変化を引き起こします。心の深部に一種の悦びが生まれます。導引の練習は、気血の流れを良くし、心を愉快にし、私たちの心身に「雨露が万物を潤す」ような作用と感覚を生じさせます。これは、天地自然界の「穀雨」が内包する意味を人体で解釈したことになりますね!

張明亮著『二十四節気導引養生法――中国の時間と智慧』(人民衛生出版社)より

このような考え方から、穀雨には「托掌須弥式」という導引術を勧めています。

以下のサイトをご覧ください。

http://mp.weixin.qq.com/s?__biz=MzA4OTAyMDcyMg==&mid=205509483&idx=2&sn=005210a61ebaf2f3c8cd35f2129b0e54&scene=2&from=timeline&isappinstalled=0#rd

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